旅の後遺症

suneon2007-07-14

約1ヶ月におよぶ、(私にとっては)長旅から帰って、もう2週間。
いまだに旅の後遺症は続いており、あの人なつっこい人々が恋しく、
あの美しい砂漠が恋しいのです。

初めて訪れたパリは、決して気取ったおしゃれな街などではなく、
人々はどこか間が抜けていて、ある意味ダサく、人間らしく、暮らしていました。
洋服だって、それぞれがそれぞれ、精一杯、手持ちのものでおしゃれして、
それがイケててもイケてなくても、構いやしない。
誰かの決めたおしゃれじゃなくて、自分が好きなおしゃれをしているんだなと。
気取っている人もいれば、冬物の服を着てる人もいるし、
肌の色だって白も黒も黄色も茶色もあって、人種のるつぼ。
あの自由な風土が、いろいろな文化を生み育んだのだなぁと実感しました。

そして、憧れのモロッコ。どの街もそれぞれ個性があって、
とにかくこゆ〜い。人のキャラクターも濃すぎる!
いつでも誰かが側にいて、ひとりになんてさせてくれない。
うんざりするくらい、人と人とが「話す」というアナログの伝達手段で
結びついてくるのです。
おっさんや青年同士が仲良く手をつないでメディナを歩き、
どこぞのカフェに集っては、ミントティーをすすってだべるのです。
おいしそうなものを食べているなぁと見ていたら、「食べてみ〜」と
ちょっと譲ってくれたりするのです。
街を歩けば、ほぼ全員と目を合わせることになり、そこから会話が始まってしまう…。

そんな日々が忘れられず、日本に戻ってからも、なにかと商店街に行ったり、
人と積極的に会ったりして…。
日に何度も、サハラの赤い肌と饒舌な風の声を思い出したり、
エッサウィラの音楽祭の夜の喧騒や、かもめの声を思い出して
もう一度行きたいなぁと恋しく思う病気が続いているのでした。