立体という概念
友人にすすめられ、東京オペラシティまで、
シュテファン・バルケンホールの作品を観に行ってきました。
今年はドイツ年ということで、開催されている展覧会。
12月25日までやで〜。
さて、シュテファン氏の作品は、木彫が主です。
人の顔を彫刻したレリーフや、人(たぶん自分?)の彫刻、動物の彫刻、風景の彫刻など
盛りだくさんでした。
いやー、びっくりしたよ、正直。とってもステキだったので。
立体ってこと、空間てことをものすごく考えさせられたというか
いろいろ「あ、そっか」と思わせてくれる作品でした。
うふふ、と笑えるユーモアもあったし。
今まで私は、立体というと、「平面から飛び出すもの」と思っていました。
これ、完全に既成概念ね。
だけども、彼の作品は、平面から凹ませることで立体を表現しててね。
これが、すばらしくリアリティがあって面白かった。
結局、人間は凹凸を立体と感知するのであって、平面から出ていても凹んでいても
立体なわけですな。うむうむ。
風景のレリーフでは、空の部分はまったくの平面で、建物や人間や木は彫られていて
その境界線がすごく面白い線になってました。興味津々!!!
それから、木を使っているのがとてもよかった。
荒削りで、わざと木のソゲを残しているのだけど、それがものすごく躍動感を伝えていましたぞ。
動物の彫刻なんかは、特にそれがよく表れていました。
裸婦の彫刻で、木目を活かしてたのも面白かったし、彫像の配置で見事に空間演出してたのも良かった。
うーん、なんか言葉にしても伝わらんぁ。たぶん、写真集で見ても伝わらないと思います。
なんせ、作品だけでなく、作品の配置もすばらしかったのですよ。
それから、今日はもうひとつ、おまけが。
美術館がとても空いていて、静かで、私の理想的な空間となってたのです。
さらに、作品のタイトルや説明が一切なかったのも逆に良かった!
自由に想像できたし、くるくるまわって見たり、作品を近くで見たり、遠くから見たりできたし
ラッキーでしたな。
シュテファン氏の作品は、あのくらい人の少ない、空間を感じられる場所でないと
たぶん生きてこない気がするなー。