立体という概念

suneon2005-12-03

友人にすすめられ、東京オペラシティまで、
シュテファン・バルケンホールの作品を観に行ってきました。
今年はドイツ年ということで、開催されている展覧会。
12月25日までやで〜。

さて、シュテファン氏の作品は、木彫が主です。
人の顔を彫刻したレリーフや、人(たぶん自分?)の彫刻、動物の彫刻、風景の彫刻など
盛りだくさんでした。

いやー、びっくりしたよ、正直。とってもステキだったので。
立体ってこと、空間てことをものすごく考えさせられたというか
いろいろ「あ、そっか」と思わせてくれる作品でした。
うふふ、と笑えるユーモアもあったし。

今まで私は、立体というと、「平面から飛び出すもの」と思っていました。
これ、完全に既成概念ね。
だけども、彼の作品は、平面から凹ませることで立体を表現しててね。
これが、すばらしくリアリティがあって面白かった。
結局、人間は凹凸を立体と感知するのであって、平面から出ていても凹んでいても
立体なわけですな。うむうむ。

風景のレリーフでは、空の部分はまったくの平面で、建物や人間や木は彫られていて
その境界線がすごく面白い線になってました。興味津々!!!

それから、木を使っているのがとてもよかった。
荒削りで、わざと木のソゲを残しているのだけど、それがものすごく躍動感を伝えていましたぞ。
動物の彫刻なんかは、特にそれがよく表れていました。

裸婦の彫刻で、木目を活かしてたのも面白かったし、彫像の配置で見事に空間演出してたのも良かった。
うーん、なんか言葉にしても伝わらんぁ。たぶん、写真集で見ても伝わらないと思います。
なんせ、作品だけでなく、作品の配置もすばらしかったのですよ。

それから、今日はもうひとつ、おまけが。
美術館がとても空いていて、静かで、私の理想的な空間となってたのです。
さらに、作品のタイトルや説明が一切なかったのも逆に良かった!
自由に想像できたし、くるくるまわって見たり、作品を近くで見たり、遠くから見たりできたし
ラッキーでしたな。
シュテファン氏の作品は、あのくらい人の少ない、空間を感じられる場所でないと
たぶん生きてこない気がするなー。