こどものころ

昨日、『運動靴と赤い金魚』という映画をdvdで観たんです。
数年前にミニシアターで結構流行った映画でした。
なんやかんやで、やっと観ることができたわけです。

どこの国か確認してませんが、イスラム圏の国の話。
貧しい一家の長男(9歳)が穴のあいた妹の靴を修理してもらい、
帰りにおつかいしていたら、その靴がまちがってゴミ屋にもっていかれてしまって…。
そんなこんなで事件勃発です。
幼い兄弟がケンカしたり、八百屋のおっさんやお父さんに叱られて
泣いたり、妹に負い目があるから、鉛筆をあげたり…。
本当にありふれた、でもなんだか懐かしい、ステキな兄弟のお話。

いろんなシーンが自分の子どものころとも重なるわけです。
何かが恥ずかしくって、学校に行きたくないと思ったり
近所のおっさんや親に叱られて、泣いてばっかりの一日を過ごしたり。
今なら「そんな日もあるさ」なんて開き直れるけれど
あの頃は、もう”そんな日”という概念もなくて、
ただひたすら怒られたことが悲しかったりしたなぁ、としみじみ。
でも寝て起きたら、ケロっとしているのが強みですな。

この映画には懐かしさだけでなく、考えさせられることも少なくありません。
主人公も理由あって、3度ほど授業に遅刻して、先生にかなり絞られ、
学校に来るなといわれちゃいます。シクシク泣くものの、理由は絶対明かしません。
他の先生が助けてくれて、なんとか通学できることになるけれども
自分が今、先生側に経つ年齢の人間だから、とっても気になるシーンでした。
子供って理由なく何かをしているんじゃないと。遅刻にだって理由がある。
理由を話せないことだってある。いろんなしがらみがあるわけです。
そう思うと、やみくもに叱ったりするのはちょっと可愛そうだなぁと
これまたしみじみ。

最後はとってもステキな終わり方でした。
私はイスラム圏の文化に興味があって、とても好きです。
なので、今度、何かに名前をつけるときは、この映画の主人公アリくんから
拝借したいものだと思っちゃいました。