本当の想像力

suneon2005-06-04

今さらながら、蜷川幸雄監督の「青の炎」を観たんです。
ぶっちゃけ、私は俳優・二宮和也が大好き。俳優とあえて書いたのは、
アイドルのときのあの人より俳優のときのあの人が好きだからです。

さて、そんな雑念!?を持ちながら観た「青の炎」。
テーマは、17歳の少年の殺人という重いものです。
内容は確かに、シリアスだったけど、鎌倉・湘南を舞台にしていて
爽やかな感じと鼻の奥がツンとなる青春感があって、観やすかったです。
(鎌倉・湘南がこれまた、私、好きなんです。江ノ電とかっ!!)

印象的だったのが、二宮くん演じる主人公が「考えろ、考えろ、考えろ」と
自分に言ったところ。私もよく言うんです、これ。
だから、印象的でした。
あとは、正確には覚えてませんが、殺人の計画を練っているとき、
「殺人も想像力だ」みたいなくだりがあったのが
忘れられないのです。

殺人を犯すために、完全犯罪を遂行するために、高校生の主人公は
あらゆる知識を振り絞り、本を読み、実験し、実行する。
「想像力」…私は、本当の「想像力」があれば、殺人をすることは
ないんじゃないかと、思うんですよ。
だからこそ、あの映画は切なかった。
賢く愚かな美しい少年は、殻に閉じこもった想像力しか持っていなかった。
なのに、自分が世界を変えられる、自分が家族を救えると信じて疑わなかった。
そんなストーリーが、悲しかった。

先日、「Expand one's horizons」という英語を習いました。
視野を広げるという意味。
映画を見た後、ふとこの言葉が浮びました。
そして、私の想像力や実力やキャリアもないに等しいな…と
突然、自分のいらない鱗がとれた気がしました。